AI vs. 教科書が読めない子どもたち5 知りたいことリストアップ
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」2018/2/2 新井 紀子 (著)について最終回です。
最終回は「知りたいことのリストアップ」をして終わりたいと思います。
読解力を上げるには。精読・深読にヒント?
読解力の向上にいて著者は
・アンケート調査から、読書量・学習習慣・得意科目と、読解力との相関関係は見られなかった。
・読解力を育てる有効な手段は発見されていない。
としつつも、ヒントとして挙げているものがあります。
P243 処方箋は簡単ではない
では、読解力を養うにはどのようなことが有効なのか。
残念ながらそれを解明する科学的な研究は今のところありません。
P246
もしかすると、多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも。
そんな予感めいたものを感じています。
これを読んで思い出すのは、灘校の国語教師 橋本 武さんの「銀の匙」の授業。
「教科書を使わず、中学の3年間をかけて中勘助の『銀の匙』を1冊読み上げる」というもの。
Wikipediaより抜粋
「生徒の心に生涯残り、生きる糧となる授業をしたい」との思いから、
1950年「教科書を使わず、中学の3年間をかけて中勘助の『銀の匙』を1冊読み上げる」国語授業を開始する。
授業の流れは、通読する→寄り道する→追体験する→徹底的に調べる→自分で考える
橋本がこうした授業を思い立ったきっかけの一つは、
そういえば、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の中にも、仮説や推論ができずに論理的な文章が書けない元学生出てきました。(P251)
元学生はRST(読解力のテスト)の問題作りの手伝いをしました。
仕事は、他の人が作ったテストの妥当性と、正解が適切かどうかを検討すること。
その人は半年ほどで論理的な文章が書けるようになったそうです。
一つの文章について、徹底的に考え、調べる、考える、という作業の中に、
読解力向上のヒントがあるのかもしれません。
真に希少な仕事は何か、これから明らかになる
P259 AIでは絶対に代替できない仕事の多くは、女性が担っている仕事です。
介護しかり、子育てしかり。だって、そうでしょう。
狩りをするのはGPSと物体検出を搭載したドローンに代替させられるかもしれませんが、子育ては汎用AIが登場したとしても、最後まで人間がすべき高度知的労働として残ります。
けれども、男性社会は女性が担っているというだけの理由で、介護や育児やアノテーション設計のような知的な仕事の担い手に対して、十分な地位と対価を支払っていません。
でも、まぁ、それもAIが広がるまでのことです。
どの仕事が真に希少かということは、非情なAIと自由経済の前では、明らかになっていいかざるを得ないのです。
この文章は嬉しく感じました。
だって前から不思議でならなかった。
子育てや介護がどうしてこんなにも社会的地位が低いのか?
たとえば保育士の仕事は、たとえ記憶に残らなくても、人の人生に大きく影響を与えるクリエイティブな仕事。
なのになぜ大学教授の方がはるかに給与も社会的地位も高いのか?
彼らは高額な授業料を借金してでも払わせていますが、それに見合った価値を提供しているでしょうか。
市場の原理と言うけれど、大きく認知が歪んでいる状態で、正しく原理が働いているでしょうか。
本当に人のためになる仕事が、これからは正しく評価される。
それは嬉しい。
ローカル人材:グローバル人材 = 暗記コミュ力:読解コミュ力 ?
AI vs. 教科書が読めない子どもたち4 「暗記コミュ力」の功罪と「読解コミュ力」の必要性 - Educational Buffet!
何となくの印象ですが、暗記コミュ力だけの人って割と「組織LOVE」「地元LOVE」でいきそう。
読解コミュ力系は、そうしたローカルルールの強制を嫌って、海外目指しそう。
・・・という偏見に満ちた雑な話。
とりあえず機会があったら考えたい。
常識を共有しにくい時代の共通理解をどうするか
「常識を共有しにくい時代の共通理解」
うーん。どうするんでしょうね。とりあえず法かな。
でも法令遵守すら怪しい(怒られるから守る、みたいな人が多い?)
学校で共通理解を育てる以外に思いつかない。
移民を多く受け入れている国はどうしているんだろう?
生活のこまごました場面で困りそう。
知りたい。
文字ではなく、音を重視したほうが良いのかも
2回目に書いたように、「読字」が苦手な人がけっこういそう。
AI vs. 教科書が読めない子どもたち2 すべての子どもに教科書の選択を - Educational Buffet!
考えてみれば、文字のない文化ってけっこうある。
遠方まで情報を伝える必要が無ければ、わざわざ文字を作る必要ないもんね。
だけど、「音」がない文化は無いと思う。
「話す」コミュニケーションは人類に共通のこと。
多くの文献は口述で伝えられてきたわけだしね。
文字が未発達なのかと思っていたけど、ただ単に必要なかっただけなんだよね。
文字のある文化でも全員が必要だったわけじゃなくて、文字って今でいう「プログラミング言語」みたいなもので、必要な人が覚えるだけのものだったんじゃないかな。
〇〇翻訳家、なんて仕事が出てきたりして
複雑な文章を要約して伝える
読字が苦手な人のために、映像や音声、簡単に要約する、などで文章を通訳する仕事
「漫画で読む〇〇シリーズ」なんて、まさにそうなのかも。
最近、漫画で読むシリーズや、大人の深刻な悩みを可愛いマンガで書いた本など、ビジュアルから情報を得るタイプの本が増えました。
これまで読字が苦手で、本から情報を得られなかった人にとって、良いことなんだろうな。
異なる文化の間を調整する
↑これは外国人に限らず、ゲーム開発会社の「ゲームオタク」と「営業」の間を通訳する人、みたいなものも含む
芸能人とか芸術家とか、ぶっ飛んだ人のマネージャーってそいういう事かも?
あとはどんな仕事ができるのかな。
知りたい。
読字によらずに、人の思考をどこまで伝達できるのか
映像って情報量が少ないし、目線によっては情報を見逃したりしますよね。
本のほうが情報が多いように思える。複雑なことをどこまで映像などで伝えられるか?
もともと人が持っていた思考を、文字によらずにどこまで伝えられるものなのか?
知りたい。
これで、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」シリーズを終わります。ふー!!!
私の長くてわかりにくい文章を読んでくださってありがとうございます!
以上です。
AI vs. 教科書が読めない子どもたち1 AI vs. 読める教科書を使えない子どもたち? - Educational Buffet!
AI vs. 教科書が読めない子どもたち2 すべての子どもに教科書の選択を - Educational Buffet!
AI vs. 教科書が読めない子どもたち3 フレームの暗記だけで生きる人たち - Educational Buffet!
AI vs. 教科書が読めない子どもたち4 「暗記コミュ力」の功罪と「読解コミュ力」の必要性 - Educational Buffet!