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NHK 心の障壁を超えろ!Barrierfree Variety「バリバラ」1

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ちょっと久しぶりの学び動画紹介。

今回は、NHKの情報バラエティー番組「バリバラ」をご紹介します。

 

バリバラって?


「バリバラ」はバリアフリーバラエティの略。

いろいろな障害を持つ人たちが発信する、本音の情報バラエティー番組です。

まずは雰囲気を、番組ホームページを見てイメージしてみてください。


にぎやかでカラフルなホームページですよね。

こういう雰囲気で、様々な障害を持つ人たちがチャレンジしたり、問題について話したり、それをバラエティー番組としてやっている。

 

 

数年前に三谷幸喜さんがNHKでインタビューに答えていて、

「バリバラに注目している。NHKじゃないとできない番組だ。」

といった趣旨のことを話されていました。

 

確かに、重いテーマで盛り上げる、時には笑わせる、様々な配慮をしつつも切り込んでいく、なんて相当難しい。

それを何年も続けるなんて、すごいエネルギーだなと思います。

 

バリバラHPより

2012年にスタートした、障害者のための情報バラエティー「バリバラ」。

笑いの要素を織り交ぜ、これまでタブー視されてきたテーマにも挑んできました。

2016年4月からは、障害のある人に限らず

「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」の人たちにとっての

“バリア“をなくすために、みんなで考えていきます。

みんなちがってみんないい

多様性のある社会を目指して、バリバラは進化します!

 

 

 

「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」


ホームページには「障害のある人に限らず、生きづらさを抱えるすべてのマイノリティーの人たちに・・・」と書かれています。

 

なるほど。

障害の有無じゃなくて、本人の「生きづらさ」を根拠にするって大事だな。

障害の有無って、基本的に他人の評価によるものだしね。

 

私も、子ども達に病名が付いたことで周りの理解や協力を得やすくなったけど、本当は病名に関わらず、

本人の訴えそのものに耳を傾けてもらえる社会の方が良い。

そのほうが、どんな人にとっても楽に生きられる社会だと思う。

 

 

思い込みの壁を壊す


「バリバラ」はほとんどの出演者が障害を持っていて、自分の障害についてもオープンに語っています。

 

見た目で障害がわかる方が多くて、最初の最初はやっぱりそこに注目する。

話し方が違うと、内容よりもそちらに意識がいく。

 

だけど、話し方や見た目が違っていても、最初の戸惑いは慣れてしまえば意識しなくなって「その人自身」に意識が移る。

 

何度か見て慣れていくうちに、最初に大きい違いとしてとらえていたものは、実は重要な部分じゃないな、と気づくことができます。

 

玉木幸則さんのコメントがおススメ


例えば、玉木幸則さんのコメントが最初(数年前)は聞き取るのが難しく感じていました。

けれど慣れると聞き取れるようになり、何より、とても的を得た重要なコメントを言うので、自然と「どんなコメントをするか」に注目するようになりました。

 

※久しぶりに見ての感想なので、聞き取りやすさを感じたのは、その間に玉木さんが工夫を重ねたからというのが大きいんでしょうね。

番組ホームページの「これまでの放送」には、各ページの下に「玉木幸則のコレだけ言わせて!」というコメント欄があるのでぜひ読んでみてください。

 

どうして偏見や違和感を持つのか、距離感がわからなくなるのか
慣れるまで、「見ていいのかな」「その話題にふれていいのかな」って後ろめたさを感じることがあるかもしれない。

 

だけどその気持ちは多分、女子高に男子、男子校に女子が来た時に、いきなり話しかけていいのかな?って戸惑いと大して違わないんじゃないかな。

共学だったら気にせず話すのに、男女で分かれて生活していたら距離感がわからなくなる。

 

人工的に別々にされたグループ同士、なじみにくくなるのは当たり前のことなのかも。

 

だから「バリバラ」を見て、なじんでいくことで、普通の距離感をつかめるようになるんだと思います。

いろんな意味で先入観を壊されて、自分の思い込みや偏見に気付くことができる番組だと思います。

 

「バリバラ」は色々な人に見てほしい。障害と関わりの無いビジネスマンにも見てほしい。

思い込みで消費者ニーズをとらえている場合もあるだろから、意外なブルーオーシャンに気付くことができるかもしれませんよ!

 

 

感動ポルノにNO!番組のはじまり


番組は2012年スタートですが、その前身になる「きらっといきる」という番組の中で、定期的に放送されてきたようです。

 

最初のきっかけは、ズバリ、24時間テレビの「障害者が頑張る姿を見せて泣かせよう企画」や、メディアの障害者の描き方への疑問の声を取り上げたこと。

Wikipediaより
そもそもは、2009年(平成21年)春の『きらっといきる』のスペシャルにおいて、報道機関やマスメディアでの障害者の描かれ方が、『一生懸命頑張っている障害者の部分を一面に強調しすぎて画一的である』という「障害を抱えている視聴者からの苦情」を、テーマとして取り上げたことがきっかけになっている。

 

24時間テレビは、もし自分だったら、まぁ嫌ですよね。

好きで頑張っている人は全然良いんですけど、その姿を押し付けられるように見させらるのは苦痛。

 

それに自分が同じ立場だったら、「あるべき姿」を強制されているようで苦痛です。

 

会社員感動ポルノ


「仕事がすごくハードでキツい。いっそ辞めようかと何度も思う。
だけどパワハラ上司から怒鳴られる毎日でも、あきらめずに、始発から終電まで休みなく働いたら結果が出た!感動。」

 

母親感動ポルノ


「共働きワンオペ育児。起きてから寝るまで、時には睡眠中も安らぎは無い。
マタハラを乗り越えて取得した育休、ようやく入れた往復1時間の保育園、理解の無い夫。今日も保育園からお迎えコール。

いろいろ大変だけど、 #あたしおかあさんだから 。子どものためにガマンするの。

かわいい子ども、やりがいのある仕事、キラキラ輝く私!感動。」

・・・なんて企画を24時間見せられるの、普通に苦痛じゃないですか?

そういう姿じゃなきゃダメですか?って。

 

だけど、物理的に周囲の助けを必要とする人が、そういう疑問を口にしにくいというのは確かです。

 

反発されると反感を持つ善意の人々は多いから。

その発信しにくさの中の小さな声を拾って、番組として発信していく、発信しやすさにつなげていく、という点がこの番組の「いいな」と思う部分です。

 

 

困りごとの解決法は、自分の生活にも応用できる


以前は時々見ていた「バリバラ」は、子どもたちが体調を崩してからはほとんど見ていませんでした。

久しぶりに見たら、場面緘黙や子どもの発達障害もテーマに入ってて身近に感じました。

知らなかった病気や困りごとを教えてもらえて、自分の生活にも応用できるアイデアもありました。

 

前回の放送「2人の怒れる男」では、ちょっとしたきっかけで怒りが爆発してしまう事に悩む小学生2人が登場。

 

芸能人のアドバイスで、ポジティブに受け止め方を変える「リフレーミング」の方法や、怒りの理由を理解して伝える方法を通じて、怒りのコントロールを学びます。

 

登場した小学生の二人がとっても素直でした。

こんなに素直な気持ちを持っていて、そのうえ怒りをコントロールできずにいたら辛かっただろうな。

 

バリバラHP

怒りは、二番目に湧いてくる感情。その怒りの元となっている、不安や期待などの「第一感情」を知ることが大切

というのは、覚えておくと良いなと思いました。

 

次回に続きます。「NHK 心の障壁を超えろ!Barrierfree Variety「バリバラ」2」