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私が公教育に未練を持たないいくつかの理由その2

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「私が公教育に未練を持たないいくつかの理由その1」は、

「中学校での不適切な性差別をやめてよ~」という意見を、自治体から気持ちよくスルーされた時のお話でした。

 

それからちょうど一年。

 今回は「相撲協会の性差別を表記したチラシを、小学校で配るのはやめてよ~」という意見を、学校からも自治体からも気持ちよくスルーされるお話です。

はりきって(なるべく短めに)行きましょう!

[:contents]

 

明治後期で感覚が止まっている相撲協会による性差別が注目された


2018年4月 相撲協会のニュースを連日聞かされました。

救命女性に土俵下りる指示 一連の対応に波紋も

「大相撲の春巡業が4日、京都・舞鶴文化公園体育館で行われ、あいさつをしていた多々見良三舞鶴市長(67)が土俵の上で倒れた。スタッフや観客らが心臓マッサージなどを施したが、その中に含まれた女性に対して土俵から下りるようアナウンスがあった。」

 

 

www.huffingtonpost.jp

「ちびっこ相撲」でも禁止。女の子は土俵に上がらないように相撲協会が要請

静岡市で4月8日に開かれた大相撲の春巡業「富士山静岡場所」で、「ちびっこ相撲」に参加予定だった小学生の女の子が、日本相撲協会からの事前要請で土俵に上がれなかったことを朝日新聞デジタルなどが報じた。

ちびっこ相撲は、力士が土俵で子どもに稽古をつけるイベント。朝日新聞デジタルによると、4日に協会の荒磯親方(元幕内玉飛鳥)から電話で「女の子は遠慮してもらいたい」と、地元有志らでつくる実行委員会に連絡があったという。

 

 

学校で、わんぱく相撲のチラシを配布していましたが、先生 本気ですか?

「ちびっこ相撲で女子禁止」のニュースは、当時はテレビでもさかんに取り上げられていました。

そのニュースが4月12日付。

 

そのわずか4日後の4月16日、次女が「わんぱく相撲」のチラシをもらってきました。裏にはバッチリ「国技館に行けるのは男子のみ(男子は国技館に行けます)」という表記が。

 

次女が言いました。「あんなにニュースでやっているのに、ありえない・・・。」

信頼する先生からこのチラシを受け取ったわけです。道徳では「差別ヤメロ」と教える人から。

 

※ちなみに「ちびっこ相撲」というのは、力士が小学生と相撲するイベント。「わんぱく相撲」は全国トーナメントの相撲大会で決勝は国技館男子のみだそうです。

 

 

とりあえず「差別ヤメロ」

 

私が「差別ヤメロ」と伝えるのは、差別する側も差別される側も不幸になるシステムだと思うからです。

 

例えば、性差別の被害者は女性だけではありません。

男性は「泣くな」「弱音を吐くな」「しっかりしろ」と男性のあるべき姿(強い自分像)を刷り込まれます。自らにプレッシャーをかけるように育てられる。

 

女性は社会的に抑圧される分、大きく思想をいじる必要がない。男性は社会的な抑圧が少ない分、思想を自ら抑圧するようにいじられる。

「女性の方が精神的に強い」と聞くことがありますが、本当にそうでしょうか?男性が、精神的に手足を縛られた状態で、どうして逆境に立ち向かえるでしょうか。

 

男性の自殺率が高いこと、DV加害やハラスメント加害、ギャンブル等の依存症問題、これらは原因は同じだと思います。

求められる「強い自分像」とのズレ、「甘えてはいけない」と、適切な依存ができなかった結果のゆがみ。違うのは、それが向かう先が自分か他人かという事だけ。

そして他人にゆがみを向ける場合、女性が被害を受けるケースが非常に多い。

 

女性の社会進出を進めるのと同時に、男性を精神的な抑圧から解放しないと、性差別の撤廃にはならないでしょう。

性差別のデメリットはあまりに大きい。

 

で、メリットよりデメリットのほうが大きいから「差別ヤメロ」と言っています。差別社会に適応した人にとっては、都合の悪い主張だとはわかっていますが。

 

 

クニ社会は強固な差別を必要とする


私は差別について、次のように考えています。

 

人類が定住生活になって生まれたクニ社会。

※「クニ(国)社会」とあえて勝手に命名してます。人がクニを形成してクニに帰属して生きる社会、人類の歴史から見たら、ごく最近に生まれた社会のことです。

 

クニ社会では、思想の抑圧や社会的な抑圧によって、人間の行動を操作する必要があります。個人の行動を抑圧して操作しないと「クニ」レベルの複雑な社会が成り立たない。

 

そして「抑圧」と「操作」を、個人に受け入れさせるためのファンタジーが「差別」だと思っています。

生まれた時から洗脳するのが最も効率が良いので、差別の根拠は「生来の特質によるもの」を利用します。性別とか人種とか、年齢ごとの行動様式を刷り込んでおくなど。

カースト最下位の人間だから」「白人だから」「奴隷だから」「女だから」「日本人だから」「男だから」「子どもだから」など。

そうして属性で差別することで、決まった型の行動をとらせる。個人をクニの一部へと矯正する。

 

余談ですが、一神教がどうしてこれほどまでに世界中に広がったのか、前から疑問でした。

もしかしたらここに原因があるのかも?これらの矯正に相当な無理があって、当然個人としては苦しい。そこで苦を快楽に変えるシステムが必要になった。唯一の神と自分が直接つながっているという感覚は、苦しければ苦しいほど強固なつながりを感じてある種の快楽になる・・・のかも?

 

 

差別によるデメリットは相当に大きい。けれど、農耕生活になってから現代までの間は、それを上回るメリットがあったのでしょう。

個人としては不幸だけれど、種としては合理的に動いていたのだろうと思います。だから、これまでの歴史に憤りを感じているわけではありません。

 

単純に「これからは、デメリットの方がはるかに大きくなるから差別ヤメロ」ということです。

 

 

無駄とわかっているのに自治体に疑問を投げかけてみた


「小学校で女子差別のわんぱく相撲のチラシをもらった次女がショックを受けてますけど。性差別問題にどう取り組むつもりなのか娘に説明してもらえます?」

という問い合わせに対して

 

「全国大会の出場資格がそうなってるからチラシもそうなるワケ。相撲協会も検討中みたいだから様子見ておきますね。今後も引き続き、人権に関する正しい理解と知識の啓発を行ってまいりたいと考えております。キリッ!」

とのことでした。

 

「人権に関する正しい理解と知識」を、ぜひあなたにも。

 

 

ちょっぴり期待しつつ学校に疑問を投げかけてみた


私「先日もらったチラシに次女がショックを受けてますが、あれはちょっとまずくないですか?」

 

先生「自分たちは組織の中で配布するように言われているので、これを配りませんとは言えないんです。」

 

私「一応は自治体にも投書しましたけど」

 

先生「それが一番良いと思います。」

 

私「でも、これを受け取った女の子がどんな気持ちになったか、少なくともうちの次女は悲しい気持ちを持った。それは学校内で共有してもらえませんか。」

 

先生「わかりました。校長に伝えます。」

 

 

先生、先生の立場もわかるよ。だけど、だけどさ・・・先生は普段何を教えてるの?

先生は道徳で子ども達を評価することになった。

では先生は、自分に対して、どんな道徳の評価をしますか?

 

記事にするにあたって、次女に当時をふりかえってもらった


次女

「人の気持ち考えなきゃダメだよ。」
・・・だよね。

 

 

結局は人間関係の一つ。学校の良いところに注目してお互いに成長しあう・・・しかない?


というわけで、なんだかなぁと思う部分はあるわけです。

でも、先生自身がなんだかなぁ、って思いながらも現場で頑張っているんだよね。

(そうであってくれ)

それを表に出せない教育制度の体質を見てしまうと、学校そのものへの未練がますます無くなっていくわけです。

 

 

おまけ 自治体とのやり取り全文


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件名:わんぱく相撲について

ご提案・ご意見
昨日小学校でわんぱく相撲のチラシが配布されました。
国技館には男子のみ参加できる旨も記載されていました。
娘は「あれだけニュースになったのに」とショックを受けています。

自治体では性差別問題に具体的にどのように取り組んでいくつもりでしょうか?
娘に説明をお願いします。

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自治体の回答
わんぱく相撲場所ですが、自治青年会議所が主催しており、本イベントのチラシは、各小学校を通じて配付が行われているものでございます。
本イベントにつきましては、公益財団法人日本相撲協会及び公益社団法人青年会議所が主催するわんぱく相撲全国大会の予選会となっており、全国大会の出場資格が、小学校4年生から6年生までの男子となっていることから、わんぱく相撲場所のチラシにもその旨の記載が入っているものと認識しております。
また、4月28日に日本相撲協会HPに掲載されております、同協会の理事長談話

 の中で、女性を土俵に上げないことを伝統としてきたことについて議論が行われているとのことですので、自治体といたしましても、その動向について注視をしてまいります。
なお、性の差別に関する人権問題に対しましては、各小中学校では、性教育全体計画を作成し、各学年において計画的に児童・生徒に指導等を行っており、自治体では、人権週間行事等の広報への掲載や、人権啓発のための庁舎の懸垂幕の掲示、役所1階ロビーでの人権パネル展示、自治体祭での人権啓発等を行っているところでございます。
今後も、引き続き、人権に関する正しい理解と知識の啓発を行ってまいりたいと考えております。

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