書字障害を考える 通級の面談で知った三女の力
三女が通級に通い始めてから約一年が経ちました。
学期の最初と最後には個人面談があって、これまでの活動のふり返りと、今後の計画についてを話します。
ドキドキ。
- 通級を通じて学校とつながっていた、三女の1学期
- 担当の先生との優しい関係を、一緒に作っている三女
- 面談で知った三女の力
- 運動が、実は好き
- 書字の問題も、実は主たる問題じゃないのかも?
- 「自分で決める」を大切に、人との関りを大切に
通級を通じて学校とつながっていた、三女の1学期
新学期から不登校になった三女ですが、通級の先生はそんな三女の選択も尊重してくれています。
「どうやって学校に戻すか」ではなくて、「どんなアプローチが三女の力を伸ばせるか」にフォーカスして考えてくれます。
普通級の先生でも、同じ気持ちでいてくれる先生は多いと感じが、30人以上の児童を抱えて個別のアプローチは本当に無理ですもんね。
だから、マンツーマンで個別計画を立てて対応してくれる通級には、本当に助けられています。
担当の先生もとっても優しくて、真剣に三女のことを考えてくれます!
嬉しいな~。
新しい担当の先生ともすっかり仲良くなったみたいで、不登校でも通級だけは休まず通っていました。
(ちなみに、私自身は子どもがホームスクーリングも良いと思うんですが、自分でずーっと面倒を見るのはヤダ!なるべく信頼できる人に任せたい派です!気が狂う!)
担当の先生との優しい関係を、一緒に作っている三女
通級担当の先生と、通級主任の先生と、普通級の担任の先生&ワタシの4人でスタートした面談。
途中で普通級の先生は抜けて、通級の先生だけになった時に三女とのエピソードを教えてくれました。
三女は先月、お姉ちゃん達と一緒に青森のアメリカ人家庭にホームステイしました。
行く前に「先生にお土産買ってきてあげるね」と言った三女。先生は遠慮してその場の会話は終わったそうです。
そして青森から帰った2週間後。
久しぶりに通級で先生に会った三女は、先生にいろいろと青森の話をしたそうです。
雨が降ったり、予定していた乗馬ができなかったり、残念な事が続いたという話をして、「でもね」と三女が言ったそうです。
「でもね、一番残念だったのは、先生にお土産買って帰れなかったこと。お店に寄れなかったの。」
通級の担当の先生は「嬉しかったです。2週間もたってからなのに覚えてくれていて。優しいですね。」と言ってくれました。
私も、そうやって三女が、周りの人と愛着を深めている様子を聞けて、とっても嬉しかった。
面談で知った三女の力
今回の面談では、意外な三女の姿を聞くことができました。
これまでの私の思い込みは、
- 「疲れた。面倒くさい。」が口癖で歩こうとしない三女を、運動が苦手な子だと思っていた。
- 字を書くことが難しく、そこを頑張ると疲れてしまって他の活動に支障が出る。
運動が、実は好き
けれど意外なことに、通級では自分から体を動かす活動をやりたがって、1時間以上ずっと運動をしているんだそうです。
さらに、「娘さんは運動神経が良いですね。運動が好きで、工夫しながら改善していくから、アスリート向きな感じですね。」何ていう、意外過ぎるお言葉までいただきました!
何で?!と思ったら、通級では徹底的に「自分で選ぶ、決める」を大切にしてもらえている、それが影響しているようです。
まず何をやりたいか →運動を選ぶ
どんな運動をやりたいか →自分でゲームを決めたり作ったりする
どんな準備が必要か →なるべく自分で校内を回って準備をする
どうやればうまくできるか →自分で試行錯誤しながら工夫して運動する
「主体的に動いて試行錯誤」をすれば、実は運動が好きなんだということがわかりました。
逆に、体育のように「こうやりなさい」という型が決まっていると、どうしたら良いかわからないし努力する気にならない、という状態になってしまうのかもしれません。
書字の問題も、実は主たる問題じゃないのかも?
面談の前日に突然、三女が漢字ドリルに取り組み始めました。
漢字を1cm四方のマスに1行ずっと書き続けて、それを四文字もやっていました。1行20文字ぐらいだったので80字以上も書いたんです。
え?なんで?
「漢字をひたすらくり返して書かせる練習は、書字障害の子にとっては効果がないばかりではなく、逆効果になる。」と聞いていたし、やらないように気をつけていたのに、いきなり自分からやり始めてしまったんです。
「そんなにたくさん書いても大変だし、ドリルに少しだけ書いて次にすすんだら?」とアドバイスしようものなら、
「自分で考えてやってるの!」
「やりたいからやってるの!」と言って邪魔者扱いです。
そうして書きあがった漢字は、小さい字にも関わらず、マスからはみ出ることなく、字が乱れることもなく、とっても素晴らしい仕上がりになりました。
そして翌日の通級面談
先生は三女のやる気のない時の字を見せてくれて、「やりたくない時に、字にはっきり出ますね。」と言っていました。
私も漢字ドリルのノートを見せて、大きな違いを再確認しました。
三女はあれこれ症状名が付いていますが、実際のところ、「自分で決めたことじゃないと受け入れない、やりたがらない性質」が障壁になるんじゃないかとも思いました。
そしてその性質は、画一的な学校ではマイナスに作用するけれど、多様な個性を認め合う環境であれば良い作用をもたらすものなんじゃないか、とも思いました。
「自分で決める」を大切に、人との関りを大切に
最後に2学期の個別計画を確認したのですが、担当の先生の提案は、私が「こうしてほしいな」と思っていたことそのままとも言える内容でした。
- 自分で見通しを立てて取り組む
- 人との関りを深める
担当の先生が、1学期の三女の様子を見て、大きく修正した計画を提案してくれました。
通級の個別相談は、三女をよーく見てくれているんだなと改めて知る機会になり、感謝の一日になりました。