性差別をどう伝える?③ LGBTQ+70億のカテゴリー
前回記事
性差別をどう伝える?① 社会的カテゴリーの上に築かれたアイデンティティはもろい
の続きです。
「世界へ発信!SNS英語術」 どうして今、LGBTQ+になったのか?
今回はおススメ動画の記事ではないんですが、性的マイノリティLGBTについて特集していたので、「世界へ発信!SNS英語術」の内容を少しだけご紹介します。
※「世界へ発信!SNS英語術」番組の見どころについては、後日アップしたいと思います!
最近アメリカでは、性的マイノリティLGBTにQ+が付いてLGBTQ+と表記されつつあるんだそう。
Lレズビアン・Gゲイ・Bバイセクシャル・Tトランスジェンダーは知っているけれど、Qって何だろう?
Qはqueer(風変わりな→元々は性的マイノリティ全般を差す表現。当事者が肯定的な意味を持たせる為あえて使い始めた)
questioning(疑問→自分の性のあり方がまだ決まっていない、または決めない)
ということらしい。
そうだよね。男女を含め、たった6種類に人類を分けられるはずがない。
差別は個人をカテゴライズして一方的に行動を変えていく。
繰り返しになってしまいますが、差別って、個人をカテゴリーに当てはめて、それに合った振る舞いを要求する事から生まれることだと思う。
その時点で個の否定になる。
差別を無くすために、例外としてカテゴリーを増やす、例外的な行動規範を増やすというのは解決法にならないんだよね。
男女の枠に収まらない人たちの為に別の枠組みを作ろう、という解決法だと必ずそこからこぼれ落ちる人が出てきてしまう。
突き詰めれば70億のカテゴリーが必要になるし、それまでの間に沢山の人が苦しい思いをする。
解決法は、個人をカテゴリーに当てはめないこと、
カテゴリーに合った振る舞いを要求しない事なんじゃないかな。
ある人にそれを言ったら、「カテゴリーは無くなりません。絶対に」と言われました。
けれど、本当にそうかな。
カテゴリーは無くならない?
性別は無くならない。それはそうです。
だけど、性別に沿った行動規範がなければ、今みたいに性別を意識する必要はなくなると思うんですよね。
たとえば、日本は年齢をとても気にする文化だと言われることが多い。私も気を使います。
それは、年上か年下かによって、「振る舞い」を変える必要があるからですよね。
年齢がわからないと、「話し方」さえ決めることができないんです。
「年齢」に沿った行動規範があるから、自然と年齢を意識するようになる。
聞いた話では、オーストラリアや欧米圏の文化では、日本ほど年齢を気にしないんだとか。
それは話し方や振る舞いが、年齢に影響されないからだと思います。
年上でも年下でも同じ言葉で話す。
文化によっては、成人したらその時点で対等の存在とみなす。
だから、いちいち意識して年齢を確認する必要が無い。
性別に関しても同じはず。
性別によって振る舞いを変える必要がなければ、こんなにも性別を意識して生活する必要はないはず。
それこそが「個人をカテゴリーに分けて行動規範を要求する」行為からの解放なんだと思う。
生物学的性別は無くならないけれど、社会的に作られた性のあり方は時代や場所によって大きく変わる。
「絶対に変わらない」性のあり方は、文明を持つ前から一貫して人類が持ち続けているものだけでしょう。
本当に「らしく」育てて大丈夫?
これだけ変化の激しい時代。
これからは、あらゆるカテゴリーがその枠組みを変えていくことになると思います。
昔のように「男らしく」「女らしく」というカテゴリーの上にアイデンティティを築く。
それをやってしまうと、社会が変化する事によって、その人のアイデンティティが揺らぐことになる。
それはとても苦しい経験になるでしょう。
カテゴリーで人を判断するくせを持つ。他人を分類して、カテゴリーの一部として認識する。
それをやってしまうと、誰か未知のカテゴリーの存在に出会ったときに、違和感を持って排除したくなってしまう。
健全な人間関係を築く障壁になるでしょう。
自分の子どもに女らしく、男らしく、と望むことは、変化の時代を生きる子ども達に、大きな障害を残すことになるのかもしれません。
続き「性差別をどう伝える?④ それはジェンダーハラスメントです」