Educational Buffet!

学びをえらぶ 自分で決める 環境をデザインする 家庭ベースの教育ブッフェ

もしも、教育制度と高齢者福祉制度が入れ替わったら?②

「もしも、教育制度と高齢者福祉制度が入れ替わったら?①」のつづきです。

 

educational-buffet.hatenablog.com

高齢者福祉には選択肢が複数あって、ケアマネジャーと相談の上で利用する施設を選べます。

それに比べて、教育制度には選択肢は一つだけ。「学校に通う事」

 

福祉と教育。

二つの制度を入れ替えてみることで、教育制度の問題点がわかりやすく見えてくるかもしれない。

今回は、専門家のアドバイスを受けて、学びの場を選択することができる教育制度の現場を見てみましょう。

 

 

 

入学までの一年間、ケアマネジャーと面談をする


年長になると担当のケアマネジャーが付いて面談が始まります。

幼稚園や保育園、病院とも情報を共有して、ケアマネジャーが親子に選べる施設を紹介したり、アドバイスをしていきます。

 

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子どもは、学校、フリースクール、ホームスクーリングなどの学びの場を選択できます。

 

その後もケアマネジャーと定期的に面談をして、必要に応じて利用施設を変更することもできます。

 

 

学校を選んだAさん・Bさん


Aさんは大勢で遊べることが魅力だったので、学校を選びました。

 

Bさんも仲の良い子が学校だったので、同じところに行きました。

だけど、学校の生活についていく事が難しく感じはじめていて、ケアマネジャーに相談してみました。

調べてみると書字障害がわかり、通級のトレーニングを受けて様子を見ることになりました。

それでも学校生活が難しい場合は、少人数のフリースクールを選ぶことができるので、Bさんは安心して学校に通っています。

 

 

フリースクールを選んだCさん


Cさんは大勢の中だと疲れてしまうので、少人数のフリースクールを選びました。

 

週のうち3~4日をフリースクールで過ごし、残りは家や図書館などで過ごしています。地域の学校も利用できるので、学校の図書室に行くこともあります。

フリースクールはとても楽しいのですが、最近は学校にも興味が出てきたので、来年は1年だけ学校に通ってみようかなと思っています。

 

 

ホームスクーリングを選んだDさん


Dさんは家で勉強することにしました。好きなことに時間を使いたいと思ったからです。

勉強の進め方は専門家がプランを組む手伝いをしてくれます。

最低限の勉強をすませたらあとは好きな事だけに集中して過ごしています。

 

 

イジメも虐待も、ケアマネジャーとの面談で早期発見される


ケアマネジャーは定期面談を義務付けられています。

そのため、イジメや虐待があっても子どもが孤立しにくく、早期に対応することができます。

 

何よりも、「ここ以外の選択肢もある」という安心感が、子ども達のゆとりを生んでいます。

選択肢があるからこそ・・・。

 

 

教育制度も当事者本位に


いかがでしょうか。

ケアマネジャーが細やかに相談に乗って、施設を選択できる教育制度。

 

「手厚すぎてそんな予算は無い」と思われるでしょうか?でもその手厚さが、高齢者福祉では実際にあるんです。

教育制度にも同じように予算を投入して、選択できるようにしたら、大勢のエネルギーと予算を使って解決を図っている多くの問題がかなり減るのではないかと思っています。

 

教育にも選択を。「自分で決める」ことが何よりも大切です。